コロナ時代、リモートワークがハイテク業界の給与に与える影響

コロナウィルスによるパンデミックで、我々はまわりのビルを一望できるオフィスとパーティションで区切られた区画を使わなくなり、ベッドルーム上の作業環境、あるいは仕事用になったダイニングテーブルがそのかわりとなった。リモートワークは、雇用する側される側どちらからも、ますます支持されつつある状況だ。リモートワークは、コロナ以前の働き方と違うものとも言えるし、同じものとも言える。業務内容自体は変わらないが、コミュニケーションや会議のやり方が変わったのだ。

リモートワークが成功したことによって、いま住んでいる街を離れようと考えて、もっと生活費が安い地域内を探したり、地元に帰ろうとしている会社員もいる。会社は、リモートワーク下でどう賃金を処理するべきか四苦八苦している。Facebookは地域に応じた賃金に転換することを 表明した が、他の会社がどうするつもりなのか、外野からはよくわからない。あるいは、どう進めるかまだ決断していない。

主要なハイテク拠点は、アメリカでも 屈指の高級 を誇っている。もっとも高給な三つの郡は、サンタクララ、サンマテオ、サンフランシスコという隣接した群だった。これらシリコンバレーの群に、ニューヨーク、ボストンといった郡が続く。こちらも技術職の拠点だ。パンデミック以前、ハイテク企業はいい人材を獲得するためにしのぎを削り、これが給料の高騰を牽引した。たが、パンデミックが大量の失業と大規模な株の売却を引き起こした。

企業は、業務を遂行するための生産的な手段として、リモートワークをただちに採用した。Twitter、Square、およびFacebookは、自宅に留まりたい社員に向けて、恒久的なリモートワークを即座に公表した。Facebookは、ベイエリアから離れる社員に対して居住地域を報告するよう求めるつもりだ。これは、移住先の生活費に応じて給与を調整するのが目的だ。不安定な経済と、リモートワーク移行の狭間で、ハイテク業界の給与予測はより難しくなるだろう。

技術職の給与は、依然として平均以上

ハイテク産業は、景気後退を他の業界よりもうまく乗り切っている。最近では、S&P 500が、テック企業の力によりQ2とQ3に最高値を叩き出した。パンデミック以前と同様の給与を払ってはいないにせよ、ハイテク企業はこれまでずっと高給だった。直近においても、売却を克服し、利益を出し続けられたことから、技術職の給与はほかよりも高い水準を維持し続けるだろう。

未経験者向けの職に興味がある人に対しても、技術職求人まだまだあり、それは今後も続くだろう。ハイテク企業や他の小売がeコマースの成長を目の当たりにするからだ。給与は、Covid-19以前ほど高くはないかもしれないが、全国平均を上回る見込がある。コードを学びたいと思ったことがあるなら、Thinkful のようなコーディングブートキャンプに参加したり、計算機科学の学位を取得する価値はいまでもあるだろう。ハイテク企業は非ハイテク企業よりも迅速に雇用を戻しつつあるし、やはり成長は固い。

技術職はなくならない

どの既存産業の会社も、ハイテク労働者と最新技術を製品に取り込む方法を求めている。計算機科学のバックグラウンドを持つプロフェッショナルは、起業家や実業家のアイデアを実現するだろう。芝刈りから個人向け製品まで、企業は、技術革新で産業を破壊する方法探している。企業は、これまでとは違ったものの売り方を掘り起こすために技術を使っている。健康ドリンクのDirty Lemonはテキストメッセージ専売の企業だ。企業は、顧客に新機軸の製品やサービスを届けるために技術を使っている。

アパレル企業とスーパーマーケットは、データサイエンスを活用して消費動向や購入したプロダクトを追跡している。Xを買った人はYも買うということをひとたび知れば、企業は営業やプロダクトを増強して、そこで収益を得ようとする。データは企業にとってかげがえのないものだ、とくに経済が細っているこのご時世、消費者が消費に対して意識的になっているようなときには。データサイエンティストは、アルゴリズムの実行や、売上や効率を改善するためのデータ収拾をまかされる。学位がなくてもデータサイエンティストになる ことは可能だ。

リモートワークと給与

Facebookは従業員の給与を考慮するときに、居住地の生活費も同様に考慮すると表明した。とはいえ、リモートワークをしているからと言って、オフィスから通勤可能な距離に住むことを人々が望まないわけではない。リモート従業員に対する最近の調査 によれば、従業員たちはリモートワークを謳歌する一方、週1回程度オフィスに通いたいと考えている。シリコンバレーからより安い群への大規模な離脱があったとしても、全員が、リモートワークをオフィスから何千キロも離れたところで働くことだと思っているわけではない。リモートで働いているが同じ地域に住み続ける人の給与が変わることはない、たとえほとんどの仕事をリモートで行っていたとしても。